深夜の侵入者

 それは突然だった。

 いや、予兆はあったのだ。幾度となく私はそれに気がついたが、それが予兆だと言うことに気がつかなかった。

 正直平和ボケして居たんだと思う。今までが平和すぎたのだ。

 戦いは常に起こり、身近な人が襲われることも少なくなかった。しかし、それは他人の話で。私自身には全くもって関係がないと信じ込んで居た。

 警備は十全だと過信し、最悪を予想して居なかった。

 悲劇は誰の皆も起こりうることなのだ。なにせ、我々は生まれた時から悲し    まくて泣いているのだから。

 

 夜中の2時。今までラインをして居たが、そろそろ寝ると言われてしまった。  今日は昼寝をしたからまだあまり眠くない。それでも、特にやることもないし仕方ない、寝るかと思っている時だった。

 外からカサカサと言う虫特有の硬い物が素早く動くような音が聞こえた。動くと言うかもがいているようだ。

 もしかしたらどこかの隙間から入ろうとしているのだろうか。しかし、私の部屋はマンションの5階だ。虫が来ることまずないと不動産の太り気味のおじさんは言っていた。

 その言葉の通り、三年前に引っ越してから大きな虫を家では見ていなかった。カナブンや蛾、蜂なんかは1階住んでいるお爺さんよく出ると言っていたが、関係ない事だった。

 私の住むマンションは昔に建てられたらしくエレベータがない。だから私は毎日5階分の階段を上り下りしているのだ。5階と1階で虫の出る頻度が同じなんて不公平だ。おじいさんには悪いが天寿を全うするまでは幸せに、虫を駆除しながら生きていってほしいと思う。

 そんなことを考えている間にもカサカサ音は続いている。

 私家は目の前に大きな道路がある。夜中には車はほとんど通らないけれど、通行人はそこそこいる。彼らの足音まで反響して私の部屋には届いてくる。

 今回も虫ではなく誰かが歩いているのかと思っていたが、違うらしい。

これは私の部屋のベランダで発生している音だ。そう思いすぐに行動した。カーテンをあけて窓からベランダを覗き、音の正体を探す。ベランダの床はもちろん、網戸や目隠しまでじっくりと観察した。何もなかった。

やはり気のせいだった。街のどこかで誰かが音を出しているんだな。

 安心しきったその瞬間だった。黒い影がブーンというあの不快な音と共に私の目の前の壁に張り付いた。

 

 

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疲れなのでここまで

一日だったけれどまだ捕まえられてない。どうすれば良いやら。